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SpiltMilk

デジタル一眼レフカメラ「EOS6D」と「60D」でのあれこれ。世界一周やめての途中で帰国した阿呆の写真・動画ブログのはずだったんだけど最近なんなんだかよくわからなくなってきている適当な何かしら。

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キト5日目 丘の上の女神さんに会いに行く

【バージン オブ キト】

朝6時ちょうど、一睡もしないまま丘へ行こうと思い付き、実行に移す。

昨晩は宿の屋上で延々コロンビア人のクラウン(ピエロみたいなもの)と飲んでおりまして、寝ていないのでありました。「一旦部屋に戻って休憩して、朝方一緒にあの女神さんとこまで行こうぜ!」と話したのが朝5時。6時に部屋まで行ったのに爆睡しているようで返答がなかったので一人で行くことにしました。目指すはあそこ! 宿の3回から身を乗り出して撮影しております(別な日の昼間に撮った写真です)。けっこう小高い丘。あそこまで登るとキトの街全体が見下ろせるそうで、行ってみたいと思っていたところ!

しかし!あの丘自体がなかなかに治安が悪いそうで、あまり近づかない方が良い、行くならタクシーで、という話を聞いていました。でも、まぁ大丈夫でしょ。こんな気持ちのいい朝方なのだから!ということで一人で向かう。

【意味の確認】

そうだ、ここで一旦脱線して「治安が悪い」ということの意味を考えたいと思う。
日常生活において、割と頻繁にしっかり意味を考えないでなぁなぁで認識しているがゆえに、現実と離れて頭の中で描いてしまっている事象というのがあるように思う。
例えば「幽霊ないしお化け」はみんなが漠然と怖いものだと考えている。それについて「なぜ怖いのか?」と聞かれて正確に答えられる人はいるだろうか。正確に、とまで言わずともなぜ自分がそれを怖いと考えるのかという理由を答えられるだろうか。

「わからないから怖い」という話をちょいちょい聞く。それはそれでさもありなんといった印象を受けなくもないが、でもそれでは不十分だと僕は考えている。「何かわからないけど怖くない」というものがある以上、「わからない」=「怖い」ではない。
僕の考えを言えば「己に何らかの危害を加える可能性」があるから「幽霊ないしお化け」は怖いと感じるのである。

一般的な怖い話の中では幽霊によって殺されたり、けがを負わされたり、何かしら精神に支障をきたしたりするという描写が見られる。それゆえに幽霊は怖いのである。もしくは死んだはずの人が存在している、という現実からの明らかな逸脱や、突如出現するという大きな驚きも危害だと言っていい。
逆にとても大好きだったお爺ちゃんなどの幽霊に恐怖は覚えないという話もあるのだから、幽霊=怖いもの、でもないということがわかる。

この話はこの程度にしておいて、何故僕がこのような話をしたのかと言うと「治安が悪い」とはどういうことであるのかが言いたかったからである。

「治安が悪いところ」=「近づいてはいけないところ」なのか否か。
当然そういうところもあるだろうと思う。そういうところには本当に近づいてはいけない。
しかし、例えばひったくり頻出だとか、強盗が頻出だとかいうところは絶対に近づいてはならないのだろうか。ひったくりや強盗が怖い理由は「何かを盗まれる」からであり、その過程で「己に危害を加えられる可能性がある」からである。
じゃあ、その可能性がないのであれば、その「治安の悪い所」は特に怖くないんじゃないか?

理由なく殴られる、殺される、掘られるという場所であれば、そこはどんな状態であれ近づくべきでない場所であるが、そういうところかそうでないかは少し考えてもいいのではないだろうか。
だからといって、治安が悪いと言われている所へ喜んで行く理由はないし、極力避けるべきであるのは間違いない。ただ、そう言われている地域へ行きたい理由がある場合に、相応の準備をすれば行ってもいいのではないだろうか?という話です。長々すみません。

【キトの治安】

キトにはナイフ強盗が出ると言われている、そうである。
「キトはナイフ、グアヤキルは拳銃」だそうだ。
でもって丘のふもとはひったくり頻出地域。基本的にタクシーで向かえば済む話。

でも、朝焼けの中を一人で階段登ってその満足感の中で朝日がみたいじゃないの!

そんなわけで前述の思考過程を終え、お金などの貴重品はすべて置き、カメラは持って行きたくないけど写真は撮りたかったのでiPhoneだけもって丘へ向かいました。

僕は治安が悪いと言われる地域では積極的に挨拶をするようにしている。
割りとどこでも自分から挨拶はするようにしているんだけど、ことそういう場所では笑顔での挨拶を心がけている。理由はなんとなく。この気持ち、わかる人にはわかるだろうし、わからない人には無意味に映ると思う。でももしひったくりや強盗をしようとする人間が、わかる側の人間なら少し安全になるんじゃないかなとかそういう思考。わかりづらく書いております。

エクアドルの人たちは、僕が今まで目にしてきた限り、優しいのだけれどシャイである。
他の国よりも相手から挨拶をされる頻度が圧倒的に低く、また返してくれない人もいる。それをシャイというのかどうかはちょっと違うかもしれないけどね。

そんな国の、治安の悪い地域を、笑顔で挨拶しながら登る。
こっちの子供たちの登校は早い。朝6時過ぎだけどもう登校している子らがいる。
その子らに笑顔の「おはよう!」
だいたいみんな遠慮がちに返してくれる。
朝早いおばちゃんにも「おはようございます!」
出勤するのであろうおじちゃんにも「おはようございます!」
ガラの悪そうな兄ちゃんにも「おはようございます!」

自分勝手かな?でも朝の挨拶って気持ちが良いから好きさね。

一人息切れしながら「おはようございます!」
この東洋人何?って顔されても「おはようございます!」

ひゃー。

いやそんなにそんなに温度差あるほどの声じゃないですよ、正直なところ。
朝だし控えめな挨拶だけど、気持ち的にはエクスクラメーションポイントなわけですよ!

まぁなんだ、そんなこんな、頂上到着です。

めっちゃ綺麗ー‼‼
高い所から遠くまですべて見通せる!ってのではなかったけど、雲海の中にあるキトかっちょ良い!
キトはたしかだいたい標高2800mくらいのはずなので雲がこんなにもかかるんですね。富士山よりちょい低いくらいだもんね。すごいすごい。

朝の冷たくて澄んだ空気。そして自分以外誰もいないこの場所。素敵。
いや正確には女神さんと二人きり。

ちょっと近すぎて良く見えない女神さん。
あ、ほんとは犬も一匹いたので3人きりでした。

6時45分頃になると、先日行ったあのツインの大聖堂(たぶん)からリンゴンリンゴン鐘が鳴り響きます。これがまた綺麗。朝靄(というか雲)に沈むキトに響き渡る鐘の音。雲間からは朝日。独り占め過ぎる子の時間。ぷるっふー!おすすめ!

ただ注意点が一つ!

犬がちょい怖い!
強盗よりも犬がけっこう危なげです。僕は噛まれたりまではしていませんが、かなり至近距離まで吠えながら追って来てなかなかに焦るということがありました。大人の人間には好かれないけど、犬と子供には好かれることで知られる僕でも吠えられたので、一般の方はかみ殺される危険性があります。
いやそこまでは本当に冗談だとしても、夜に雰囲気でテンション上がってイケイケ状態のままの犬君たちがまだいる時間帯なので、注意は必要かと思います。

そんな1日!

まだ朝焼け見ただけじゃねぇか!って思うかもしれませんが、一晩一睡もせずクラウンのデビッドはしゃいでいたせいで僕はこのあと1日爆睡したのでした。

おやすみなさいませ。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

ほんと遠慮なく、配慮無く、どうぞコメントしていってくださいませ。
めっちゃテンション上がるのでございます。コメントないとやっぱり寂しいので御座います。
●今までに行った場所一覧はこちらから → 『世界一周で周った場所一覧』
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