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SpiltMilk

デジタル一眼レフカメラ「EOS6D」と「60D」でのあれこれ。世界一周やめての途中で帰国した阿呆の写真・動画ブログのはずだったんだけど最近なんなんだかよくわからなくなってきている適当な何かしら。

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『笑い皺 一人で過ごす たたむ春』

もうあれから何度目の春だったろうか。
当たり前になってしまっていたのか、甘えすぎてしまっていたのか、 何にせよ、この少し広めの部屋にはもう私一人しかしかいない。


もう一人でいられないと悲しんで友達に泣きながら連絡するような年でもない。
いや、もともと自分はそんな性格でもなかったような気がする。今までこんな別れがあったこともないからわからないけれど、もしかしたらこんな私の性格が可愛くなかったのかもしれないと、今となって思う。



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『蟋蟀が 一つ残った 命たち』

忘れていた。それ以上でも以下でもない。
忘れていた。それしか頭に浮かばなかった。

忘れてた。忘れていた。忘れてしまっていた。
そして謝罪。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
そして言い訳。こんなつもりじゃなかったんですこうしようと思っていたんじゃないんですこんな風になっているなんて思ってなかったんです。

ごめんなさい。忘れちゃってたんですごめんなさいごめんなさい。 


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『笑いもの みんなの前で 教授もか』

足早に廊下を歩く。いま自分は興奮している。頭の中が滅茶苦茶だ。たぶんいくら隠そうと努力したって顔は真っ赤で、鼻息は荒く、ドタドタ歩いているんだろう。仕方ない。自分は興奮している。教室のドアを静かに閉めたことだけは上出来だ。だれもそんなこと気にもしないんだろうけど、これは自分のプライドだ。

そう思いながら拓也は法文学部棟二階の廊下を一人でずんずんと進む。中学や高校とは違い、授業中でも廊下にはたまに人がいるとはいえ、休み時間とは比べものにならないくらいに静かだ。今自分が何処に向かっているのか、何がしたいのか、このまま帰るのかこのあとの授業にも出るのか、もしそうならそれまで何処で時間を潰すのか、それらのことを考えることも出来ずに、ただどこかへ向かって廊下を歩く。ただ教室から離れたいだけだ。

「…くそっ」「…なんだよっ」
さっきから時折自分で呟いているがこれに意味なんかない。そう少しでも発散しないと全く落ち着けそうにないのだ。大学ってなこんなに幼稚なもんかね、と心の中で冷静ぶって毒づいてみる。なんなんだほんとに、くそ。
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『団子消失 駅のホームで 白い羽』

何かに誘われて俺はホームに降りた。

それは空気や雰囲気といってしまえば簡単なものかもしれないが、そう適当には考えたくなかった。その駅につくまでに見ていた車窓からの景色なのか、駅についてから見えた景色なのか。葉の落ちている木なのか、もしくはまだ緑色をしている針葉樹なのか、はたまた少し向こうの海なのか。
そんなに遠くの景色ではなくて、この静かなホームなのか、そこに静かに佇む柱なのか、古びているけど座り心地の良さそうなベンチなのか、ジュースの自動販売機なのか、大分前に閉まって長い間空いていないであろうシャッターに包まれた売店なのか。結局それらを含んだ雰囲気なのだろうと考えついて、最初に簡単に思った答えとなんら違いはないが、満足だった。



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