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SpiltMilk

デジタル一眼レフカメラ「EOS6D」と「60D」でのあれこれ。世界一周やめての途中で帰国した阿呆の写真・動画ブログのはずだったんだけど最近なんなんだかよくわからなくなってきている適当な何かしら。

東北の旅 二日目 ~恐山から六ヶ所村、普代水門へ~

【まずは山道を抜け恐山へ】

民宿あすなろで気持ちの良い起床。朝日が木の葉の間から零れている澄んだ朝。
素泊まりでしたが朝ごはんもそこでいただくことに。青森名物らしい味噌貝焼きなるものの定食。旨い。特に筋子。写真に写ってないけど。貝焼きは普通。ご馳走様でした。

本日の目的地はまず恐山。くねくね山道を走っているとふと視界が開け、目の前には突如湖が出現する。そこはもう既に恐山。
僕は恐山のことを「イタコのいる何かしら昔から信仰の対象となり意味のあるとされている山」くらいにしか思ってなかったのですがもうそれが大間違い。そもそも「恐山」という名前の山は無いのである。己の無知っぷりに衝撃を受ける。まじか。
ご存知の方も多いのかとは思いますが「恐山」について知らない方もいらっしゃるかと思うので簡単な説明をば。

まず前述の通り恐山という山はない。
宇曽利湖(うそりこ)と呼ばれるカルデラ湖と、それを囲む8つの山の総称なんだそうである。もともとはここらを総称して宇曽利山(うそりやま)と呼ばれていたそうなのですが、それが訛って「おそれやま/おそれざん」と変化してきたそうです。なるほど。ちなみに宇曽利とはアイヌ語の窪地を意味する「ウショロ」から来ているらしい。なるほど。 これが宇曽利湖。
とても透明度が高く、山の中に突然現れるその美しい姿は現実感を失わせる。初めて山の中でこれを見つけた人が何か特別な場所だと感じたのも当然かと思われる。発見の流れとかなんも知らんけど。

写真にも写っている湖の中の橋か桟橋の跡みたいなのはなんなのかな。これも気になる。

ここがカルデラ湖であるということからわかる通り、このあたりは火山。そのためかなりこの湖も強い硫黄臭がする。だから多分生物が少なくて水が澄んでいるんだと思う。綺麗だけど硫黄の香り立ち込めるこの場所の違和感たるやなかなかのもの。
さらにこの湖から流れる川には真っ赤な橋が架かっておりそれには「三途川」と書かれているうえ、脇には奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)の像が控えている。 三途の川の死者の衣を脱がせると言われているダツエバ。
そのダツエバの脱がせた服の重さを量りその重さで生前の罪を計るとされているケンエオウ。

どうせ僕は死んだら地獄へ行くだろうから行くときは全裸で行って困らせてやろうとか軽く思ったんだけど、なんとこの爺さん死者が服を着ないで来ると生皮を剥ぐらしい。やばい。まじ容赦ない。服は着ていくことにしよう。


【ついに恐山到着】

さっきから到着はしていたかもしれないけど、入場料を払って入るゾーンはこれから。
入場料はたしか500円。 菩提寺。恐山にある曹洞宗のお寺。本尊は地蔵菩薩。
道祖神のお地蔵さんとして有名ですね。入り口には六大地蔵像が並んでおり、奥にもとても大きな地蔵菩薩石像が座っている。

敷地内には火山岩が広がっておりそこかしこからは硫黄の噴出している「地獄」と呼ばれている場所がある。その場所ごとに名前がつけられ、各所に石像が立っている。 此処は賽の河原。

無縁仏や幼く亡くなった子供の供養のために名前の書かれた丸石が多く積まれており、その直接的な「名前」というものに思考や感情が強く方向付けられる。考えさせられているのか何を考えればいいのか、何かを考えても仕方がないのか。そういう考え事をしながらただ歩く。 恐山に多くある風車も幼子の霊を慰めるためにあるのだそうです。

この火山岩の広がる「地獄」を抜けるとまたあの湖付近の「極楽浜」である。
その景観の差が本当にすごい。 恐山を一周りして南下を始めました。

あ、恐山アイスクリーム美味しいです。おすすめ。





以降は僕の考えなど余計と思われるものはある程度廃して書いていきたいと思う。

【六ヶ所村原燃PRセンター】

次に向かったのは原子燃料再処理施設で知られる六ヶ所村。人口約一万人の村。
誰でも名前は聞いたことはあるだろうし、どんなことをしている場所かもなんとなくは知っているだろう村。誘致の際に多くのお金が入っているなど朧気に聞いたこともあったりするだろう村。

工場などに近付くことは当然できないのでまずPRセンターへ。
綺麗な施設。何から何まで綺麗。でも綺麗なだけ。働いている人の対応やPR内容、設備は本当に雑だなという印象。センター内の土産屋の店員はダラダラ。原子力についての説明も一方的なものや結論ありきで書かれているものが多く、子供だましのゲームもあるがそれはタッチパネルが故障気味でまともに機能しない。なんだろうかねこれ。

村の財政や工場などの是非について此処で何かを言うつもりは全く無いけど、適当とか雑な姿勢はあまり好ましいとは思えない。

そのほか村には綺麗な職員住宅や唯一のショッピングモール、真新しいそうな図書館がある。
だからどうだというのではない。ただそれだけ。

【普代水門】

六ヶ所村から車で南下を始め、フェリーの到着した八戸よりもさらに海沿いを南へ。
震災時の津波の影響が多く見られる海沿いを走っていると、ほぼ影響を受けていないであろう村に到着する。それが普代(ふだい)の村。

これが震災時に他の水門の多くが決壊する中、機能したとされる数少ない普代水門。
この水門のおかげで普代の町は一人の死者も出さず、今も存在している。

水門を建設した当時の村長は周囲からそんな高さは必要ないとされる中、かつて15mの津波が来たとされているために水門の高さは15.5m以上という基準を下げることなく建設を強行し、多くの批判や非難を受けたそうだ。

しかし東北大震災時、普代村に来た津波は水門を2m超えたとされている。(上記写真右上の青い表示の高さ)
結果的に他の水門よりも高かったことが決壊することなく津波を大きく減衰させることができたと、今では当時の村長の言葉を引用した顕彰碑も建てられている。

町は綺麗に残っているが、水門の外側は更地になっている。

【宮古市】

本日の宿泊地は宮古市、ビジネスホテル宮古ステーション。
津波の被害を受けた中では復興が進んでいるとされている町。

ホテルの受付の方におススメいただいた駅前の「すみよし」というお店で夕食。 現地のものを頂く。

最近ビールなど醸造酒を控えている僕ですが、東北に来て日本酒を飲まないなど無理な話なのでこの旅中は制限無く頂く事とする。日本酒は宮古のお酒いっぽ。焼き秋刀魚。ホヤの刺身。そしてお店のおすすめ「焼カゼのおにぎり」。
なにかわからんけど食べてみればわかるかなと食べてみたけど何かわからず。なんだこれ。でもとても美味しい。でもなんだこれ。店員さんに聞いてみる。

なるほど。カゼというのは岩手の方言でウニのことだそう。焼きウニの混ぜご飯みたいなおにぎりでした。ウニって焼くイメージあんまり無かったしばらけてるからなんだかわからんかった。でも美味。岩手のおすすめ食事です。

翌日へ向け早めに就寝。
これにて二日目は終了となりました。


●今までに行った場所一覧はこちらから → 『世界一周で周った場所一覧』
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